患者さんインタビュー
J-BREATHでは慢性呼吸器疾患患者さんの在宅での療養生活をご紹介しています。疾患も環境もそして家族構成も違う中で、在宅酸素療法などを行いながら、どのように病気と向き合って日常生活を送られているか、様々な工夫を凝らして、明るく前向きに暮らしている患者さん達のインタビュー記事をご紹介します。是非、一人でも多くの方に読んでいただき、思いを共有していただけますと幸いです。
患者さんインタビュー
J-BREATHでは慢性呼吸器疾患患者さんの在宅での療養生活をご紹介しています。疾患も環境もそして家族構成も違う中で、在宅酸素療法などを行いながら、どのように病気と向き合って日常生活を送られているか、様々な工夫を凝らして、明るく前向きに暮らしている患者さん達のインタビュー記事をご紹介します。是非、一人でも多くの方に読んでいただき、思いを共有していただけますと幸いです。
J-BREATH第110号 2020年10月号掲載
オンラインバスツアー体験記
新型コロナがやって来て...
母とまた旅行に行ける!
webの仮想空間でバスツアー!? 新型コロナウイルスの感染拡大で客足が減った旅行会社の窮余の一策…。ところがニュースなどで盛んに紹介され、予想外の人気を集めているそうです。COPDで療養中のお母さんと参加して「ハマった」という小俣富美香さん(東京)の、わくわくドキドキの体験記です。(事務局)
コロナ禍だからこそ行ける「バスツアー」
新型コロナの影響下、肺疾患を持つ皆様やご家族の皆様も、様々な変化に直面しながらお過ごしのことと思います。私も、会社に通いながらCOPDの母の生活をお手伝いする日々を過ごしていましたが、この春以降、介護休業からそのままテレワーク導入となり、大きく変わりました。そして今も、緊急事態宣言の頃のように最低限のお買物以外は外出しないような、春とあまり変わらない生活を続けています。
生活様式が大きく変わりつつあった緊急事態宣言の最中、ある日テレビで、この変化の中で生まれたユニークな「ツアー」が紹介されていました。なんと、おうちにいながら参加する「バスツアー」です。「オンラインバスツアー…!?」。ぱっとココロに「これだ!」と閃きました。母とまた旅行に行けるって!? どんなかな、やってみよう! さっそくネットで調べて、申し込みました。どんなかな、どんなかな…。
オンラインツアーに初挑戦
ツアーの数日前には、バス会社さんより、お知らせと「バスの車中」で飲む用のドリップコーヒーが送られてきました。さらに前日までに、旅行先のパンフレットや、そこの産地の物、紙の「シートベルト」が宅配便で送られてきます。初めて見る土地の物に、自然と旅行気分が〝ぷちぷちぷちっ〟と芽生えます。そうだ、旅支度なんて考えていなかったけれど、オンラインバスに乗るとき何を着ようかな。シートベルトも作っておかなくちゃ♪。
さて、この旅に必要なものは、オンラインバスなので〝ネット環境〟です。私の場合、パソコンのメールで申込登録をしたときの返信メールにあるリンクのURLをクリックして、ツアーに参加しました。オンラインツアーが初めての方には、主催するバス会社さんが前もって使い方を説明してくださるサービスもあり、安心してご参加いただけると思います。
旅行に行くときにはいつも待ち合わせ場所に早く到着している母は、ツアー開始の1時間前から「もうすぐだ、もうすぐだ」と言って、せかします。オンラインなので、そんなに早くは始まりません…。始まる前に、母と私の座り位置、パソコンの位置などを、どこがいいかあれこれ考えてセットします。せっかくなので、よーく見たいですよね。
外国人客も参加した賑やかな旅
開始時刻近くになると、続々と他の旅行者さんも参加してきました。なんと外国からの参加者さんもいらっしゃいます。バスガイドさんが順次お出迎えしてくださり、いよいよ旅が始まります。やっぱりバス旅は、ガイドさんのお話しと、車窓の景色が醍醐味。気持ちが盛り上がります。「あっ、これはオンラインだった!」と思うのは、バスの移動時間が時に短いこと…、それからトイレ休憩が短いことです。だってウチのトイレは混みませんものね。リアル旅と勝手の違うところはありますが、チャット機能で質問ができて、知りたいことを教えていただけます。
色々な方が参加され、皆それぞれ楽しんでいる様子がなんとなくわかるところも、バス旅ならではです。私たちも別世界の旅の1時間半を楽しく過ごすことができました。母も送られてきたお土産をいただきながらの旅、とても楽しかったようです。私もとてもリフレッシュしまた。母とまた旅行に行けるなんて、思ってもいなかったことが、なんともカンタンに実現してしまいました。
遠方の親戚とも「旅行」へ
後日、別のコースで、暫く会えない遠方の親戚を誘ってみました。オンラインでの一緒旅。後で、土地のものを食べた感想を電話で話し合ったり、旅で紹介されたお店のお取り寄せをそれぞれしてみたりもしました。
病気の治療方法や療養環境も少しずつ進歩してゆくと思いますが、レクリエーションやコミュニケーションのあり方も、様々なアイデアでこれからもよくなっていくと思います。時にはこんなバス旅に行ったり、日々〝小さな大きな楽しみ〟を胸に、ともに乗り越えていけたらと思います。